エリア別に「70 点未満率」を並べる
個人口コミの 10,842 件のうち、母数 50 件以上のエリアは 19 個。それぞれで「70 点未満(=ハズレ)の比率」を集計した。
ハズレ率の悪い側 5 エリア:
| エリア | n | 平均点 | ハズレ率 |
|---|---|---|---|
| 八王子・立川 | 62 | 77.6 | 19.4%(5 件に 1 件) |
| 鶯谷・日暮里 | 994 | 80.6 | 10.9% |
| 新橋 | 287 | 80.9 | 9.4% |
| 川崎 | 86 | 82.1 | 9.3% |
| 町田・厚木 | 109 | 78.9 | 9.2% |
ハズレ率の良い側 5 エリア:
| エリア | n | 平均点 | ハズレ率 |
|---|---|---|---|
| 千葉 | 154 | 83.2 | 2.6% |
| 吉原 | 250 | 83.5 | 4.8% |
| 錦糸町・小岩 | 455 | 82.5 | 5.1% |
| 上野 | 123 | 82.8 | 5.7% |
| 渋谷 | 737 | 83.1 | 5.7% |
最大と最小で 約 7.5 倍 の差。同じ個人サイトの中で、エリアをまたぐとここまで違う。
エリアで 7.5 倍 のハズレ率差。
「八王子・立川」と「町田・厚木」だけが頭ひとつ抜ける
ハズレ率の悪い側を眺めると、郊外 が並んでいるのが目立つ。
- 八王子・立川(19.4%)
- 町田・厚木(9.2%)
23 区内(鶯谷・日暮里・新橋)も上位に入っているが、これらはいずれもエリア内の母数が大きく、ハズレ率の絶対値もそこまで突出していない。最も外れを引きやすいエリア として観察できるのは、八王子・立川と町田・厚木の 東京西部・郊外圏 だ。
なぜ郊外でハズレ率が高いのか
ただ、ここで断定するのは早い。考えられる理由が複数ある。
1. 市場の構造
郊外の店舗は、都心の店と比べて競争が緩い可能性がある。「行ける範囲に他の選択肢が少ない」と、店側に質を上げる圧力が小さくなる。書き手の側も「行ける範囲で済ませたい」となるので、ハズレを引きやすくなる構造はある。
2. 書き手の母集団の違い
郊外で口コミを書く書き手は、観光客より 地元客 が多い可能性がある。地元客は同じ店に何度も行く中で、辛口の目を持つ書き手の比率が高くなる。書き手の厳しさ差 が、エリアのハズレ率に乗っているケースもある。
3. 母数の小ささによる分散
八王子・立川は n = 62 と、19 エリアの中では最小級。母数が小さいエリアではハズレ率の分散が大きい ので、19.4% という数字をそのまま受け取らないほうがいい。仮に書き手 1〜2 人が ★1 を立て続けに書くと、その分だけハズレ率が跳ねる。
4. エリアの定義の問題
「八王子・立川」は地理的に広く、八王子と立川の店舗が同じカテゴリに入っている。サブエリアごとに分けると、もっと細かい構造があるかもしれない。
店の質が低い と決めつけるよりも、これら 複数の説明が重なってハズレ率を作っている と読むのが、観察記録から見える筋に近い。
千葉が安全圏に立つ理由
逆に最少の 千葉(2.6%) は、母数 154 件で十分。「千葉だけハズレが少ない」と読みたくなるが、ここも素朴には受け取らないほうがいい。
千葉エリアの口コミの書き手は、自分から千葉まで足を運んだ書き手 に偏る可能性がある。わざわざ遠出する書き手は、行く前の事前調査をしっかりやる傾向があり、結果として外れを引きにくい。書き手の事前準備の差 が、エリアのハズレ率に効いているケースもある。
エリア別ハズレ率マップ ── 店選び前のベース率として使う。エリアによる事前ベース率を、口コミを開く前に頭に入れておく。
- 八王子・立川 5 件に 1 件はハズレる前提で、口コミを多めに読む
- 都心の主要エリア ハズレ率 5% 前後。1 件の口コミの重みも相応
- 千葉 ハズレ率 2.6% は安全圏。ただし書き手の選別が入っている可能性
第 11 話「読解マップ」 の 媒体レイヤー に、第 9 話「業種別インフレ係数」と並べて、エリア別ハズレ率も補正情報として組み込む。