2026.05.08 ISSUE WEEKLY OBSERVATION 第壱号 / NON-PERIODIC
月刊・観察日記 / SCOOP

風俗口コミ探偵の観察日記

COMMERCIAL 70,453 + PRIVATE 10,842 ── 19 YEARS OF FIELD NOTES

第伍話 Ⅲ ── 投稿者で口コミは変わる

書き手のクセを 3 タイプ で読む
── 甘め・辛め・ばらける

同じ ★5 でも、書き手によって意味は違う。100% ★5 を 100 件並べる人もいれば、評価が ★1 から ★5 までばらけて SD が 1.6 ある人もいる。投稿数 20 件以上の常連 477 人 を散布図に並べてみたら、3 つのタイプが、3 つの隅にきれいに集まっていた。

477 人を、★5 率と評価のばらつきで並べる

商業口コミの投稿者のうち、観察期間中に 20 件以上書いた人477 人 いた。この 477 人を、

  • 横軸:★5 率(その人の投稿のうち、★5 がどれくらいの割合か)
  • 縦軸:SD(評価のばらつき。0 なら全部同じ評価、1.0 を超えるとかなり振れる)

の 2 軸で散布図にしてみる。

477人の散布図。右下に甘め、左に辛め、上半分にばらけるの3タイプが3つの隅に分かれて集まる
FIG.1 ── ヘビー投稿者 477 人を ★5 率 × SD で散布。3 タイプが 3 つの隅に分かれる

3 つの群れが、はっきり見える。

  • 右下の塊:★5 率 95% 以上、SD はほぼゼロ。甘め:120 人
  • 左の縦長エリア:★1〜3 を 2 割以上書く。SD も 1.0 前後。辛め:76 人
  • 上半分のエリア:SD ≥ 1.0、評価がばらつく。ばらける:57 人

3 タイプを集計値で並べると、こうなる。

タイプ人数平均投稿数★5 率SD
甘め(★5 率 ≥ 95%)120約 60 件99%0.07
辛め(★1〜3 率 ≥ 20%)76約 50 件35%1.09
ばらける(SD ≥ 1.0)57約 53 件64%1.06

3 タイプを足すと 253 人。投稿数 20 件以上の常連の 半分以上 が、3 つのクセのどれかに当てはまっている。

「100% ★5 で 100 件以上書く人」が、けっこういる

甘めタイプの中でも、SD = 0、投稿数 100 件超 のヘビー投稿者が複数存在する。観察期間を通して、★5 以外を一度も付けていない常連だ。匿名のラベルで並べると、

  • 投稿者 X:128 件、SD = 0、訪問店舗 15 店
  • 投稿者 Y:125 件、SD = 0、訪問店舗 15 店
  • 投稿者 Z:109 件、SD = 0、訪問店舗 4 店
  • 投稿者 W:103 件、SD = 0、訪問店舗 1 店

100 回行って、100 回 ★5 を付けた書き手が複数いる。「いつ行っても外れたことがない」「単に好みの店ばかり厳選している」と読むこともできるし、口コミに書く時点で 必ず ★5 を選ぶ習慣 がある、と読むこともできる。

ここで「100% ★5 = サクラ確定」とは言わない。店との相性で本当にすべて満足だった可能性は、観察記録だけからは否定できない。ただ、読み手の側には選択肢がある。100% ★5 の書き手の口コミは、★5 を一段引き下げて読む という補正をかけられる。

「ばらける書き手」は、辛めとは違う

辛めタイプとばらけるタイプは、似ているようで、実は別物。

  • 辛めの人:★1〜3 を一定割合で必ず書く。平均評価が 4 を切る人もいる。「ここはここ、ダメなところはダメ」と切り分けている書き手
  • ばらける人:★5 と ★1〜3 が両方混ざる。SD が 1.5 を超える例もある。当たり外れがあって、その差を率直に書く書き手

一番極端なばらけるタイプの例:

  • 投稿者 A:66 件、SD = 1.61、平均評価 3.53、★1〜3 率 35%、訪問店舗 27 店

20 店以上に行って、評価が ★1 から ★5 まで広く分布している。この書き手の ★5 は、本気の ★5 だ。100 件中 100 件 ★5 の書き手の ★5 とは、情報密度が違う。

★5 ひとつの重みは、書き手が何と比べているかで変わる。20 店以上を訪れた人の ★5 は、20 回の中から選ばれた評価だ。比較の軸が広いほど、その人の最高評価は重い。一方で、全件 ★5 の書き手の ★5 は、比較の軸そのものが立っていない。同じ ★5 でも、単位が違う数字を並べているような状態になっている。

だから、ばらける書き手のひとつの ★5 は、甘めの書き手の ★5 を 100 個並べたよりも、ずっと多くを語っている。低評価を書く能力が一度立証された書き手の高評価は、口コミ画面の中でいちばん信頼度が高い。

ばらける人の ★5 は、本気の ★5

持ち帰れる発明 ── 投稿者プロファイラ

書き手を読むときに見る軸は 3 つある。第 2 話 で見た累計投稿数、それに SD(評価のばらつき)と訪問店舗数。この 3 列だけで、書き手のクセを 3 タイプに分類できる。

  • ★5 率が高く、SD が小さく、訪問店舗が少ない → 甘めタイプ。★5 を一段引き下げて読む
  • ★1〜3 率が高く、SD が中くらい → 辛めタイプ。★4 以上に重みを置いて読む
  • SD が 1.0 を超え、訪問店舗が多い → ばらけるタイプ。この人の ★5 は信じてよい

3 タイプ判定は、書き手のハンドル名のページに表示される過去投稿一覧をざっと眺めれば、数十秒でできる。第 1 話「★5 はベースライン」、第 2 話「投稿者経験曲線」、第 3 話「リピ宣言信頼度」、第 4 話「改善点の具体性」と組み合わせて、口コミに 5 つのフィルタ を通せるようになる。

TAKEAWAY ── 持ち帰れる発明

投稿者プロファイラ ── 累計投稿数 × SD × 訪問店舗数。書き手のクセを「甘め/辛め/ばらける」に分類する 3 列。100% ★5 の書き手の ★5 は引き下げ、ばらける書き手の ★5 はそのまま信じる。第 1〜4 話のフィルタと並べて 5 枚目として使う。

ここで観察した 3 タイプは、商業口コミサイトの中の話だ。媒体ごとの 投稿動機の設計 が変わると、書き手の母集団も別物になる。たとえば、投稿に金銭報酬を出している投稿集約型サイト(ホンネレポ)、報酬のない投稿サイト(仁義なき風俗体験ブログ)、管理人主導で投稿も受け付ける個人ブログ型(カス日記)の 3 つでは、甘め・辛め・ばらけるの比率もまた違う形で立つ。同じプロファイラを当てるときは、媒体構造を一段引いて見るのを忘れない。

NEXT ── 第陸話

店を支える 看板客 の正体。

第 III 章は、投稿者という変数を 3 話にわたって観察する。第 5 話で見たのは書き手の クセ。次の第 6 話では視点をもう一段ずらす ── 「100% ★5・少数店舗」のクセを持つ書き手が、特定の店に集中して投稿していたら何が起きるか。1 人で 126 件を 1 店に書いた例を見にいく。

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